「副業したいから転職するのは甘いのでは」と悩んでいませんか。
副業を目的とした転職そのものは、収入源を増やしたり、社外で経験を積んだり、将来の独立に備えたりするための前向きな選択肢になり得ます。
ただし、副業ができることだけを基準に転職先を選ぶと、仕事内容や待遇が合わず、転職後に後悔する可能性があります。
そこで本記事では、副業を理由に転職してもよいのかを解説したうえで、転職を検討したほうがよい人と、まだ転職しなくてよい人の違いを整理します。また、副業OK企業を選ぶ際の注意点や、面接での伝え方も解説していきます。
「副業したいから転職」はアリ。ただし条件付き
「副業したいから転職する」という考え方自体は、決して問題ではありません。収入源を増やしたい、社外で経験を積みたい、将来の独立に備えたいなど、目的が明確であれば合理的な選択肢です。
厚生労働省のモデル就業規則でも、「労働者は勤務時間外にほかの会社などの業務に従事できる」とされています。一方、実際の副業ルールは企業ごとに異なるため、現在の会社や転職先の就業規則を確認しましょう。
出典元:厚生労働省「副業・兼業」
ただし、副業制度だけを優先すると、仕事内容や給与、働き方が自分に合っているかを見落としやすくなります。「副業OKならどこでもよい」「本業を楽にして副業で稼ぎたい」といった理由だけで転職先を選ぶのは避けましょう。
副業で何を実現したいか整理する
転職活動を始める前に、副業で実現したいことを整理しましょう。例えば主な目的として、以下が挙げられます。
- 毎月の収入を増やしたい
- 本業では経験できない仕事に挑戦したい
- 社外の顧客と仕事をしてみたい
- 将来の独立に向けて実績を作りたい
- 個人事業を続けながら正社員としても働きたい
こうした目的によって、転職先に求める条件は変わります。
もし収入を増やすことが目的なら、副業制度だけでなく、本業の給与や残業時間も確認しなければなりません。独立準備が目的なら、同業他社の案件を受けられるか、個人名義での活動が認められるかといったルールも重要です。
先に目的を具体化することで、「なぜ転職するのか」「どのような会社を選ぶのか」を説明しやすくなります。
副業だけを転職先選びの軸にしない
副業可能な会社を探す場合でも、副業制度だけで転職先を決めないようにしましょう。
現実的に副業ができるかどうかを判断するためには、仕事内容や給与、残業時間、休日数を確認するほか、リモートワークやフレックスタイム制度を利用できるかも確かめる必要があります。あわせて、副業の申請ルールや競業に関する制限も確認しましょう。
副業が認められていても、本業の残業が多ければ、副業に使う時間を確保できません。また、副業のために転職した結果、本業の給与が大きく下がれば、期待していた収入増加につながらない可能性もあります。
「副業ができるか」だけではなく、転職によって本業と副業を両立できる環境を作れるかという視点で判断することをおすすめします。
副業目的で転職を検討したほうがよい人・まだ転職しなくてよい人
副業をしたいからといって、すべての人がすぐに転職すべきとは限りません。現在の会社の制度や働き方、副業の目的などを整理して、転職する必要があるかを判断してみましょう。
転職を検討したほうがよい人
以下に当てはまる人は、副業可能な会社への転職を検討する余地があります。
特徴 | 転職を検討しやすい理由 |
現職で副業が明確に禁止されている | 現在の会社に在籍したままでは副業を始めにくいため |
残業や休日出勤が多い | 副業に使う時間を確保できないため |
副業の目的と内容が決まっている | 転職先に求める条件を具体化できるため |
副業に活かせるスキルがある | 転職後に案件獲得へ進みやすいため |
将来の独立や複業を考えている | 副業できる環境へ移る目的が明確なため |
例えば、現在の会社が副業を禁止しており、会社へ確認しても認められる見込みがない場合は、転職が現実的な選択肢になります。
また、副業の内容が決まっていても、毎月の残業が多く、平日の夜や休日に時間を確保できない場合は、働き方そのものを変える必要があるでしょう。
ただし、転職すればすべての問題が解決するとは限りません。副業制度に加えて、本業の業務量や勤務時間も改善できるかを確認することが大切です。
まだ転職しなくてよい人
以下に当てはまる人は、すぐに転職するのではなく、確認や準備から始めることをおすすめします。
特徴 | すぐに転職しなくてよい理由 |
就業規則を確認していない | 届け出や申請によって副業できる可能性があるため |
どのような副業をしたいか決まっていない | 転職先を選ぶ基準が定まらないため |
副業なら簡単に稼げると思っている | 期待した収入を得られない可能性があるため |
本業だけで体力的な余裕がない | 転職後も両立できない可能性があるため |
現職の仕事内容や待遇に大きな不満がない | 転職以外の方法で副業を始められる可能性があるため |
まずは、現在の会社の就業規則を確認してみましょう。「副業禁止」だと思っていても、実際には事前の届け出や許可を得ることで認められる場合があります。
また、始めたい副業の内容が決まっていなければ、どのような勤務制度や副業規定が必要なのかを判断できません。転職活動を始める前に、副業として取り組みたい仕事や使える時間、提供できるスキルを整理しましょう。
関連記事:副業か転職か?年収アップに向けて判断するポイント、それぞれのメリット・デメリットを解説
副業OK企業へ転職する際の注意点
転職先を探す場合、求人票に「副業OK」と書かれていても、すべての副業が自由に認められているとは限りません。
入社後に「希望していた仕事を受けられない」と後悔しないよう、制度の詳細を確認する必要があります。
副業OKでも申請や制限がある
副業可能な会社でも、次のような条件が設けられている場合は少なくありません。
- 事前の届け出や許可が必要
- 同業他社や競合企業の仕事は禁止
- 副業に使える時間に上限がある
- 入社後一定期間は副業できない
- 雇用契約を伴う副業は禁止
- 本業の勤務時間中に副業の連絡をしてはいけない
厚生労働省のモデル就業規則では、勤務時間外の副業を認める一方で、「本業への支障、企業秘密の漏えい、会社の信用を損なう行為、競業によって会社の利益を害する場合には、企業が副業を禁止または制限できる」としています。
求人票の「副業可」という記載だけで判断せず、選考中や内定後に、申請方法や禁止される業務を確認しましょう。
本業と副業を両立できるか確認する
副業を始めると多くの場合、平日の夜や休日も仕事に使うことになります。
副業制度が整っていても、残業や休日出勤が多ければ、実際に副業を続けるのは困難です。企業選びでは、次の点を確認しておきましょう。
- 月の平均残業時間
- 休日出勤の有無
- リモートワークの頻度
- フレックスタイム制度の利用状況
- 業務時間外の連絡頻度
- 副業をしている社員の有無
副業を始める際は、本業と副業を合わせた労働時間を把握し、睡眠や休息を確保することが必要です。また、制度があるかだけではなく、実際に利用できる職場環境かどうかもよく見極めましょう。
競業や情報漏えいに注意する
本業と近い分野の副業をする場合は、競業や情報漏えいに注意が必要です。
本業で知った顧客情報や社内資料、営業情報、公開されていない業務上のノウハウを副業で使用するとトラブルにつながる可能性があります。また、同業他社の案件を受けることで、勤務先の利益を害すると判断されることもあります。
厚生労働省のモデル就業規則でも、企業秘密の漏えいや競業によって企業の利益を害する場合は、副業を禁止または制限できるとされています。
副業の内容が本業に近いほど、受けられる案件の範囲を事前にきちんと確認しましょう。
確定申告が必要になる場合がある
会社員が副業で所得を得た場合、金額や所得の種類によっては確定申告が必要です。
給与を1カ所から受けている会社員は、給与所得と退職所得を除いた所得の合計が年間20万円を超える場合、原則として所得税の確定申告が必要になります。
なお、ここでいう所得は、単純な売上額ではありません。副業が業務に係る雑所得に該当する場合、総収入金額から必要経費を差し引いた金額が所得となります。
副業を始めたら、報酬額だけでなく、仕事のために支払った費用や領収書も記録しておきましょう。もし所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要になることがあるため、居住する自治体の案内も確認しておくと安心です。
転職面接で「副業したい」と伝えるときのポイント
面接の際、副業希望をそのまま志望動機にすると、「本業より副業を優先するのではないか」と懸念される可能性があります。
面接では応募先で取り組みたい仕事や、自分の経験をどのように活かせるかを中心に伝えましょう。
副業を志望動機の中心にしない
「副業ができるため応募しました」と伝えるだけでは、その企業で働きたい理由が伝わりません。
まずは、応募先の事業や仕事内容に関心を持った理由、自分が貢献できることを説明します。副業については、希望する働き方や将来の計画を説明する際の補足として伝えるとよいでしょう。
また、まだ具体的な副業を始めていない場合は、無理に志望動機へ盛り込む必要はありません。面接の終盤や内定後に、副業制度の条件を確認する方法もあります。
本業への貢献を先に伝える
副業で得たい経験を、本業にどう活かせるかまで説明すると、副業希望を前向きに伝えやすくなります。
例えば、抽象的に「市場価値を高めたい」と伝えるのではなく、次のように具体化してみましょう。
- 社外の顧客対応を経験し、本業の提案業務に活かしたい
- 異なる企業の業務の進め方を知り、自社の業務改善に活かしたい
- 副業で制作経験を増やし、本業で担当できる業務の幅を広げたい
こうして「副業をしたい」という希望だけではなく、応募先での仕事を優先する姿勢も示すことが大切です。
面接での伝え方、OK例・NG例
面接で副業希望を伝える際は、内容だけでなく、表現の仕方にも注意が必要です。たとえ同じ希望でも、応募先での仕事を優先する姿勢や、副業経験を本業に活かす考えを示すことで、受け取られ方は変わります。
ここでは、伝え方のOK例とNG例を紹介します。
OK例
「本業で培ったWebマーケティングの経験を社外の案件でも活かし、異なる業界の顧客課題に触れたいと考えています。そこで得た知見を、御社での施策提案にも活かしたいです」
「将来的には個人でも仕事を受けられるスキルを身につけたいと考えていますが、まずは御社での業務を優先し、就業規則に従って取り組みたいと考えています」
NG例
「副業ができるため御社を志望しました」
「本業の給与だけでは足りないため、副業で収入を増やしたいです」
収入を増やしたいという考え自体が悪いわけではありません。ただし、企業は本業でどのように活躍してくれるかを確認しているため、面接では応募先への関心や貢献を先に伝えましょう。
副業しやすい企業の見極め方
副業制度があることと、実際に副業を続けやすいことは異なります。求人票だけで判断せず、勤務時間や制度の運用状況まで確認し、見極めるようにしましょう。
求人票だけで判断しない
求人票には「副業可」としか書かれておらず、具体的な条件がわからない場合があります。就業後の状態をイメージするためには、企業の採用ページや公式サイトで、次の情報も併せて確認しましょう。
- 副業の申請方法
- 認められる業務の範囲
- 副業をしている社員の事例
- リモートワーク制度
- フレックスタイム制度
- 平均残業時間
- 副業制度の利用実績
副業制度について詳しい説明がなくても、柔軟な働き方を受け入れている企業かどうかを判断する方法はあります。副業に関する記載だけでなく、企業サイト全体を確認しましょう。
社員インタビューや公式発信を確認する
採用サイトに社員インタビューが掲載されている場合は、副業制度を実際に利用している社員がいるか確かめてみるのもおすすめです。
「副業制度あり」と記載されていても、利用者がほとんどいなければ、申請しにくい雰囲気がある可能性も考えられます。
社員インタビューや企業公式の採用資料で、具体的な利用事例が紹介されていれば、制度が運用されていることを判断する材料になります。
転職エージェントに相談する
求人票や採用サイトだけでは、副業制度の詳しい運用状況がわからないこともあります。
そのような場合は、転職エージェントを通じて、申請条件や利用実績、残業時間などを確認する方法があります。企業へ直接聞きにくい内容も、エージェントが代わりに確認できる場合があります。
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副業目的の転職は、目的と両立条件で判断しよう
副業をしたいという理由で転職すること自体は、決して問題ではありません。
現職で副業が禁止されている、残業が多く副業の時間を確保できない、副業の目的や内容が決まっているといった場合は、副業可能な会社へ転職する意味があります。
一方、就業規則を確認していない、副業で何をしたいか決まっていない、本業だけで時間や体力に余裕がない場合は、すぐに転職せず準備から始める方法もあります。
また、副業制度だけで転職先を選ぶのではなく、仕事内容や給与、残業時間、副業の申請条件などを総合的に確認しましょう。
判断に迷う場合は、『Workship CAREER』のキャリアアドバイザーにご相談ください。希望や方向性がまだ固まっていない段階でも、現在の状況を整理しながら、自分に合う働き方を検討できます。
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