人材紹介会社に登録すると、多くの場合、担当キャリアアドバイザーとの面談に案内されます。初めて利用する方は、「何を聞かれるのか」「どんな準備をすればいいのか」と不安に感じることも多いのではないでしょうか。
この面談は、希望条件や経歴をキャリアアドバイザーと共有し、転職活動の方針をすり合わせるための場です。事前に適切な準備を行うことで、その後のマッチングがスムーズに進みやすくなります。また、直近で転職を考えていない場合でも、転職のプロとの対話を通じて、自分のキャリアを見つめ直すきっかけも作れます。
本記事では、人材紹介会社との面談の流れや聞かれること、答え方のコツ、服装・オンライン対応などの注意点など、幅広く解説します。ぜひ参考にして、面談の準備を進めてみてください。
人材紹介会社の面談の意味・目的
人材紹介会社の面談は、求職者の経歴・希望・価値観をキャリアアドバイザーと共有し、今後の転職活動の方向性をすり合わせるための場です。「うまく答えなければ不採用になる」といった緊張は必要ありません。
信頼関係を築き、希望条件をすり合わせることで、希望に合った求人の紹介に繋がります。
なお、すぐに転職を考えていなくても、面談を受けること自体は問題ありません。「自分の市場価値を知りたい」「今後のキャリアについてヒントを得たい」という動機でも、面談で得られる情報は多いはずです。
人材紹介会社の面談の流れ
人材紹介会社に会員登録を行うと、次のステップとして、メールや電話で担当のキャリアアドバイザーから連絡が届き、日程調整を案内されます。面談はオフィスでの対面のほか、オンライン(Web会議ツール)や電話で実施されることもあります。
面談当日は、おおむね次のような流れで進行します。
自己紹介・サービスの説明
キャリアアドバイザーの自己紹介、人材紹介サービスの仕組みや今後の流れなど
経歴の確認
これまでの職歴や担当業務、スキル
転職理由の共有
なぜ転職を考えているのか、現職でどのような課題を感じているのか
希望条件の整理
年収、勤務地、業種、職種、働き方など、転職先に求める条件
市場情報の共有
希望する業界や職種の求人動向、年収相場などについての情報提供
求人紹介
面談の内容をもとに、条件に合いそうな求人をその場で紹介されることも
次回アクション
今後のスケジュールや進め方
面談の所用時間は人材紹介会社によりさまざまですが、一般的には60〜90分程度で実施されます。
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人材紹介会社面談で聞かれること
人材紹介会社との面談では、これまでの経験や希望条件、今後のキャリアの方向性などについてヒアリングされます。
事前に聞かれやすい内容を把握しておくことで、自分の希望や状況を整理したうえで面談に臨みやすくなるでしょう。
ここでは、人材紹介会社の面談で主に聞かれることを解説します。
これまでの職歴・スキル・実績
これまでどのような会社で、何を担当してきたかを詳しく聞かれます。具体的には、経験したプロジェクトやチーム内での役割、担当範囲などです。技術職であれば、扱っていた技術スタックなども対象となります。
キャリアアドバイザーはこれらの情報をもとに、求職者の強みや市場での評価ポイントを整理し、適切なマッチングに活かします。
キャリアアドバイザーからのフィードバックを通して「自分のスキルが他社でどこまで評価されるのか」の把握にもつなげられるため、可能な限り具体的に伝えるのがポイントです。
転職理由や希望条件
「なぜ転職を考えているのか」「今の職場で何に悩んでいるのか」「転職を通じて何を実現したいのか」といった質問がされます。
あわせて、年収、勤務地、業種、職種、リモートワークの可否、勤務時間など、転職先に求める条件についても聞かれます。
選考ではないので、基本的には率直に伝えて問題ありません。中でも「必ず満たしたい条件」「できれば満たしたい条件」のように段階別に伝えることで、紹介の数を確保しつつ、マッチ度の高い企業につなげてもらいやすくなります。
転職活動の状況
「選考を受けている企業はあるか」「いつまでに転職したいか」など、転職活動の進捗状況やスケジュールの目安についても確認されます。直近での転職を考えていない場合は「本格的に転職活動を進めるときにまた連絡します」のように伝えるとよいでしょう。
ちなみに、「すでにほかの人材紹介会社に登録しているか」と聞かれた場合、複数のサービスを併用していることを伝えても問題ありません。多くの求職者が2社以上の人材紹介会社を利用しており、キャリアアドバイザーとしてもその可能性は把握しています。
面談での質問への答え方
キャリアアドバイザーとの面談は選考ではないので、うまく話そうとする必要はありません。より重要なのは回答の中身であり、正確に・具体的に伝えることで、面談後のスムーズなマッチングにつながります。
経歴・スキルは数字や事実で伝える
客観的に伝わるファクトをもとに経験を伝えることで、市場価値を適正に評価してもらいやすくなります。
たとえば、ITエンジニアであれば、「Webアプリの開発を担当していました」のような抽象的な表現ではなく、「ECサイトのバックエンド開発を2年間担当し、APIレスポンスタイムを30%改善しました」のように、実際の担当プロジェクトや定量的な成果を示すとよいでしょう。
マネジメントや総務などの定量化しづらい業務であっても、「○人のチームを率いて、メンバーがパフォーマンスを出せるように××を行っていた」「○○のフローを改善するために~~というアクションを取った」などのように伝えることで、キャリアアドバイザーに自分のスキルを理解してもらいやすくなります。
転職理由は「次に実現したいこと」とセットで語る
転職を考えるからには、現職に何かしらの不満があるケースが多いでしょう。しかし、不満だけを伝えるよりも、「次の環境ではこうしたい」という前向きな展望とセットで伝えると、建設的なキャリア相談につなげやすくなります。
たとえば「評価制度に不満がある」という場合は、「成果が正当に評価される環境で、より大きな裁量を持って仕事をしたい」のように、希望する環境を具体的に言い添えるのがおすすめです。
希望条件は優先順位をつけて伝える
希望条件はすべて伝えたうえで、「これだけは譲れない条件」と「できれば叶えたい条件」に分けて優先順位をつけておくと、キャリアアドバイザーが現実的かつ希望に合った高い提案をしやすくなります。
条件を最初から絞りすぎると、選択肢が狭まってしまう可能性があります。まずは幅広く伝えたうえで、アドバイザーとの対話を通じて条件を整理していくのもひとつの方法です。
面談の前に済ませておきたい準備
キャリアアドバイザーとの面談は、企業の選考と違って気軽に受けていいとはいえ、事前準備を行うことで当日の時間を有意義に使えます。
面談後のスムーズな紹介につなげるためにも、次の4つの準備を済ませておくとよいでしょう。
書類を提出する
履歴書・職務経歴書は、面談前に提出しておくのが理想的です。職種によっては、ポートフォリオも用意しておくとよいでしょう。
事前に書類が共有されていれば、面談当日にゼロからヒアリングする必要がなくなるため、より深い対話に時間を使えます。ここでは書類の完成度が低くても問題なく、キャリアアドバイザーからのアドバイスを受けて修正していくこともできます。時間が許す限りの内容でも、きちんと提出するのがおすすめです。
希望条件やキャリアビジョンなどをまとめておく
「転職を通じてどんな未来を実現したいか」を、ざっくりとでもまとめておくと、面談の質が高まります。
たとえば「年収を〇万円以上にしたい」「リモートワークで柔軟に働きたい」「マネジメントに挑戦したい」など、思いつくものを箇条書きにしておくだけでも十分です。面談の中でアドバイザーが一緒に整理してくれるので、すべてを明確に整理しておく必要はありません。
聞きたいことをまとめておく
面談は、質問に答えるだけの場ではありません。キャリアアドバイザーに自分から聞きたいことを準備しておくと、情報収集としても有意義な時間になります。
【キャリアアドバイザーに聞くとよい質問の例】
自分のスキルや経験は、市場でどのように評価されるのか
希望する業界や職種の求人動向はどうなっているか
今後の転職活動はどのように進めるのがよいか
転職に精通したプロから直接話を聞ける貴重な時間なので、積極的に質問するのがおすすめです。
身だしなみや環境の準備
面談は選考ではないとはいえ、キャリアアドバイザーにとって「この人を企業に紹介したい」と思えるかどうかは、第一印象にも左右されます。
服装は、必ずスーツである必要はなく、オフィスカジュアル程度で問題ありません。ただ、清潔感のある身だしなみを心がけましょう。面談がオンラインの場合は、通信環境の確認、静かな場所の確保、カメラ映りの確認なども事前に済ませておくと安心です。
人材紹介会社の面談でのNG行為
面談はカジュアルな場ではありますが、キャリアアドバイザーとの信頼関係を損なう行為は避けたいところです。ここでは、面談の際に避けたいNG行動について紹介します。
無断キャンセル
面談の予約を無断でキャンセルすると、キャリアアドバイザーとの信頼関係を築くことが難しくなります。場合によっては、その後の求人紹介やサポートに影響が出ることもあります。
体調不良やスケジュールの都合で参加できなくなった場合は、できるだけ早めに連絡しましょう。
経歴詐称
実際にはない経験やスキルを伝えてしまうと、求人のマッチング精度が下がり、結果的に入社後のミスマッチにつながります。
キャリアアドバイザーは、転職活動に伴走してくれる“味方”です。正確な情報を伝えたうえで、自分のスキルをどう活かせるかを一緒に考えてもらうほうが、転職活動全体の効率も上がります。
「自分の経歴はアピールにつながるのか?」と不安な場合は、自分のバックグラウンドに合った人材紹介会社を利用するのがおすすめです。もし「フリーランス期間が長く、スキルを適性に評価してもらいづらい」と感じている場合は、フリーランス・副業人材のキャリアに詳しい人材紹介会社に相談するのがよいでしょう。
現職の不満に終始
転職を考えるからには、現職に対して何かしらの不満を感じていることが多いはずです。その気持ちをアドバイザーに率直に伝えること自体は問題ありません。
しかし、面談の大半が不満やネガティブな話に終始してしまうと、「企業に紹介しにくい」と判断されてしまうおそれがあります。不満を共有しつつも、「次はどうしたいか」「どんな環境を求めているか」という前向きな視点を示すのがおすすめです。
人材紹介会社の面談を活用して、自分に合った転職先を見つけよう
人材紹介会社との面談は、求人を紹介してもらうだけの場ではありません。これまでの経験や希望条件を整理し、自分に合った働き方や今後のキャリアを考えるきっかけにもなります。
「まだ転職するか決めていない」「希望条件がまとまっていない」という段階でも、面談を受けることは可能です。キャリアアドバイザーと話すなかで、自分が大切にしたい条件や、今後目指したい方向性が見えてくる場合もあります。
また、人材紹介会社によって保有している求人やサポートの特徴は異なります。自分に合ったキャリアアドバイザーを見つけるためにも、複数のサービスを比較しながら活用するとよいでしょう。
IT・Web業界での転職を検討している方は、『Workship CAREER』への相談も選択肢のひとつです。業界に詳しいキャリアアドバイザーが、スキルや経験、希望する働き方をヒアリングし、一人ひとりに合った求人を提案します。
副業やフリーランスからの転職にも対応しているため、多様なキャリアの選択肢を考えたい方は、ぜひ一度相談してみてください。
大阪大学法学部卒。行政の教育事業支援、広告業界での人事職を経て2025年よりフリーランスライターに。ITやSaaS分野を中心に、採用広報記事や技術コラム、セミナーレポートなど幅広く記事制作に携わる。執筆・編集実績は約200本。